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デザインみやげ #09 クリスティン・メンデルツマのテーブルナプキン

May 31, 2018 | Design | casabrutus.com | styling_Yumi Nakata
text & editor_Wakako Miyake

気のおけない友人に贈るならば、いくつあっても困ることのない実用品が喜ばれる。けれど、実用重視なだけでは味気ない。ふだんの生活で見過ごしがちな、材料と製品の関係性も示唆してくれる、ユニークなデザインなものを選びたい。



左:ベルギーのフラックスを使用とした《1340 G TABLECLOTH NAPKIN(FLAX)》、右:アイスランドの海藻を表示のグラム数分使用した《1340 G TABLECLOTH NAPKIN(SEAWEED)》。52×51cm 各2,500円(共にテキスタイルミュージアム)

オランダの女性デザイナー、クリスティン・メンデルツマ。2003年にデザイン・アカデミー・アイントホーフェンを卒業した彼女が最初の本『Checked Baggage』を出したのは、2004年、26歳のとき。2001年の9.11以降、アムステルダムのスキポール空港で没収された物品3,267点を分類し、白の背景で撮影したもので、小さな日用品から世界の大きな変化を写し出した意欲的な作品だ。そして、2007年に出した第2弾となる本『PIG 05049』では、3年間を費やして「05049」とナンバリングされた1頭のブタから生産されるすべての製品を調べ上げた。チューインガム、弾薬、ブレーキなど185種もの素材に使用されるブタ。そのリサーチ力と、対象への視点、シリアスな事柄を興味深く見せるデザイン力は、彼女の真骨頂といえる。また、2014年にはベルギー・コルトレイクにリニューアルオープンした「Texture Flax Museum」の永久展示品としてフラックス(亜麻)で作った鳩を製作。コンセプトを形にするメンデルツマのデザインには、解読するという楽しみもある。

そして、『PIG 05049』などと同様に、工業化によって見えにくくなった生産者・製品・消費者と原材料を結びつけるコンセプトをデザインしたのが、《1340 G TABLECLOTH NAPKIN》と《フラックス ナプキン》という2種類のテーブルナプキン。《1340 G TABLECLOTH NAPKIN》は2008年に〈テキスタイルミュージアム〉から出した作品で、それぞれオーガニックコットンに加え、コットン(トルコ)、海藻(アイスランド)、リネン(ベルギー)、マニラ麻(インドネシア)、竹(中国)の5カ国5種の材料で織り上げられている。そして、それらの植物の姿と国名、使用されたグラム数を刺繍。また、〈トーマス・アイク〉から2013年に発表された《フラックス ナプキン》は、自身で買い付けたオランダのフレーヴォポルデルで栽培される6ヘクタール分のフラックスが原材料となっている。表面にはその畑の空撮写真とフラックスの成長過程が地模様のように描かれ、裏面のタグには栽培から加工・縫製までに手がけた国名が記載されている。いま、自分が手にしているものがどこからきて、どのように加工されているのか。プロダクト本来の使い勝手のよさと共に、その思考へのきっかけも贈りたい。

ブラック&ホワイト TEL 045 228 8430

Source: カーサ ブルータス Casa BRUTUS

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