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古民家を「服と暮らす」をテーマにセルフリノベーション!デザイナーならではの部屋作り

プロダクトデザイナーが手掛けた本気のDIY

古い建物本来の味を活かして暮らすのもいいが、大胆なリノベーションを施して自分だけの空間を作ることができるのも、築年数の古い民家ならではの楽しみ方だ。

プロダクトデザイナー・山田哲也さんが暮らすのは、東京都江戸川区にある築50年の個性的な古民家。セルフリノベーションでさらに自分流の住まいに仕上げた。

プロフィール

名前:山田哲也さん
職業:インテリア雑貨ブランド「clokee」デザイナー
ブランドURL:https://www.clokee.tokyo/
インスタグラムアカウント:@tetsuyamadiy
居住形態:1人

ルームデータ

所在地:東京都江戸川区
家賃:7.8万円
間取り:1LDK(43㎡)
築年数:50年
建物:木造戸建

山田さんがリノベーションした部屋。白い壁と、温かみあふれる風合いの床と天井がマッチする落ち着いた空間


フリーレントを利用し、DIYで天井や壁のない開放的な空間を作り上げた山田さん

自らの手で大規模なリノベーションを敢行

土間のある玄関に置いてあったのは、デザイン系の大学に通っていた時代に制作したというドクロを逆さにした形の椅子。入口からしてインパクトが凄い。浴室やトイレ、洗濯機置き場などの水まわりが集中した一階から急な階段を上って二階に行くと、そこにはアトリエのような開放感抜群の空間が広がっていた。寝室とひとつながりとなったLDK。一階よりもずっと広く感じられるのは、全ての壁と天井板を取り去っているから。そして、部屋全体を白く塗っているからだ。

「天井はもともと板が張ってあったのですが、圧迫感があったので思い切って取り外しました。最初は天井裏も壁と同じ白に塗ってしまおうかと考えていたのですが、板を外してみると思っていたより状態が良かったので、そのままの質感を残すことに。寝室を隔てていた壁も取り去りました。大家さんが改装やDIYに理解のある人だったのは幸いです」(山田さん)

土間のある玄関にはドクロの彫刻が置いてある。天井には狐の毛皮がかけられており、個性的な演出

土間のある玄関にはドクロの彫刻だけでなく、狐の毛皮も。個性的な演出だ

太くて頑丈な梁がそのまま見えるワイルドな風景は、まるでログハウスかバックヤード・ガレージのよう。白い壁と、重厚な木目のコントラストが効いている。

頑丈な梁の姿がそのまま見える屋根。ライトレールには照明が取り付けられていて、下方だけでなく上方も照らす

頑丈な梁の姿がそのまま見える屋根。ライトレールの照明には照明が取り付けられていて、下方だけでなく上方も照らす

リノベーション前の写真を見せてもらうと純和室で、現在と同じ部屋とはとても思えない。

リノベーション前の山田さん宅の様子

リノベーション前の山田さん宅。同じ部屋だといわれてもにわかには信じがたい

壁の塗装などは友人達の手を借りながら、入居前1か月のフリーレント期間に作業したという。学生時代、内装工事のアルバイト経験がある山田さんだが、それでも丸々1ヶ月かかるほど大変な作業だったそうだ。

山田さんが手掛けた大胆なリノベーションの中でも、特に印象的なのがキッチン。小部屋のような空間の壁面全体に、白いタイルが貼られている。一寸の狂いもない丁寧な仕事はプロ顔負け。業者向けの製品を購入し、自分でタイルを一枚ずつカットしたというのだから恐れ入る。

山田さん宅のキッチン。キッチンの形を3D図面化して配置したというタイルが見事

キッチンの形を3D図面化(!)し、タイルの配置を決めたそう。冷蔵庫、シンク、棚のラインがそろっているのもポイント

「外した天井板や壁、カットしたタイルなどの大量のゴミを処理するのに苦労しました。産業廃棄物扱いになるので、通常の集積所には捨てられないんですよね。一時は部屋の中がゴミ袋だらけになっていました。タイルは多く発注しすぎて、今でも大量に余っています(笑)」(山田さん)

シンプルなデザインのハンガーラックや脚立を利用したオープンラック、飾り棚代わりのヴィンテージなアイロン台など、味わい深いスチール家具も部屋を彩る演出のひとつ。と同時に、収納スペースの少なさをかバーするためのアイテムでもある。

脚立に横板を渡しただけのシンプルなオープンラック。脚立には、壁を塗った時についてしまったという白いペンキの跡が

脚立に横板を渡しただけのシンプルなオープンラック。脚立の白いペンキは壁を塗ったときに付いてしまったものだが、敢えてそのまま残している

生活空間の中で洋服を美しく見せる

仕事では「clokee(クローキー)」というブランドで、マネキンやハンガーなど服飾関係のアイテムを設計・デザインしている山田さん。実はこの部屋に引っ越したきっかけも、自身が作った製品を生活空間の中にレイアウトし、デザインや使い勝手を確かめるためだった。

実際にハンガーラックなどは自身が設計したもので、カタログ写真の撮影にもこの部屋が使われている。つまり、部屋全体がアトリエであり、作品のひとつなのである。

山田さんが設計・デザインしたハンガーラック

山田さんが設計・デザインしたハンガーラック(左)。ディスプレイを目的としたインテリア雑貨と、実用的な家具の中間に位置するようなアイテムがブランドのコンセプトだ

シンプルな形状でシャツを美しく見せるハンガーも、山田さんが勤める“clokee”の作品

シンプルな形状でシャツを美しく見せるハンガーも、山田さんが勤める“clokee”の作品

独特の世界観に包まれた彼の部屋。思い通りのインテリアを具現化するポイントを尋ねると……

「インテリアが素敵だなと感じた店舗の写真を撮ったり、インターネットで検索したりして、とにかく素材を集めます。仕事ではクライアントに提案する際、実際に製品を置いた様子をシミュレーションしたりしますよね。しかもA案、B案と複数の選択肢を作ってじっくり検討する。今回の部屋づくりではプライベートでも同じような試みをしました。それでも入居前の状態から完成後をイメージするのは大変でしたけれど。デザインのプロではあっても内装のプロではないので、思い切ったことをやれたのも、かえって良かったと思っています」(山田さん)

インターホンをむきだしにせず、お手製の木のボックスに収納

このボックス、何かと思って蓋を開けると、中からインターホンが現れた。部屋全体に統一感を持たせるためには、細部へのこだわりが大事

山田さんの部屋にあるドライフラワー

時間が止まっているかのような、独特の空気感が山田さんの部屋にはある

デザインに携わる職業ならではのこだわりが随所に

山田さんの理想の空間づくり、ポイントをまとめてみた。

・スチール家具が似合う部屋……などテーマを明確に決める
・自由に改装、DIYして良いという条件の部屋を探す。古民家にはそうした物件が結構ある!
・フリーレント期間を利用して計画的に作業
・実際の店舗や写真から素材を集め、完成予想をビジュアル化

古い建物だけに、すきま風が入る、お隣の話し声が聞こえてきたり、など欠点を挙げるとキリがないが、そうした点を補って余りある理想の物件と出会うことができたと、彼は感じている。それは住まいそのものだけでなく、自由にDIYできるなど条件も含めてのことだ。

最後に「もし引っ越すとしたら?」と尋ねると「まだ予定はありませんが、誰かと一緒に暮らすなど、ライフステージが大きく変わるときですかね」と穏やかな笑顔で答えてくれた。

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文・写真=田端邦彦

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Source: CHINTAI情報局

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