急成長不動産企業のオープンハウスは最先端ITの使い手だった

急成長不動産企業のオープンハウスは最先端ITの使い手だった




● 独自の製販一体モデルで急成長

 総合不動産企業の平均的な利益率が2~3%で推移するなか、10%を超える利益率を出しながら、売上高の過去4年の平均成長率が35%超という高い成長を誇る企業がある。オープンハウスだ。

 住宅業界は、大きく「土地を仕入れる」「家を建てる」「家を販売する」という3つの業態に分業され、それぞれの領域で専門企業が活動している。しかしオープンハウスは自ら土地を仕入れ、そこに独自設計の家を建て、それを消費者に販売する工程をすべて自社グループ内で行う、製販一体のモデルで急成長している。

 ユニクロのようなSPA(製販一体アパレル)で最も重要なのは、企画し、製造してから売り切るまでのスピードだ。店頭から素早く売り切ることで次々と新しい商品を開発できる。

 この方式を住宅業界にあてはめ、土地を見つけて購入し、家を建てて売り切るまでのサイクルにかかる時間を極限まで短くし、需要に最適化した住宅を開発することで、高い利益率を引き出す。これがオープンハウスの競争力の源泉である。

 ただし、このモデルでカギを握るのはスピードだ。例えば条件のいい住宅用地を見つけ、すぐにでも購入したいと思っても、決済に何日もかかっていては他社に持っていかれる。 ● IT改革はスマホと グループウェアから着手

 田口慶二 オープンハウス最高情報責任者(CIO)がオープンハウスに入社した3年前は、社内の稟議は紙ベースで行われており、意思決定のプロセスはスピーディとは言い難かった。「社長決裁に2週間程度かかっており、その間に他社に奪われるケースもあったと思います」

 そこで田口CIOは業務のIT化を構想。まず、モバイルシフトに着手した。全社員にスマホとグーグルのクラウドアプリの使用を切り替えたのだが、驚くべきは、着手から導入完了までわずか70日で成し遂げたことだ。

 「ポイントは、全員に一気に導入することです。“シニア層はガラケーが好きだからそれに対応させる”というような、段階的な導入手順をとると、通常業務にオーバーヘッド(上積み)が生じて狙い通りのコストダウンや効率化ができなくなります。シニアへのスマホの教育などは、仕組みを変える話とは別問題なので、それはそれできちんとやればいいのです」(田口CIO)

 現場部員のモバイル化と並行して進めてきたのが、背後にある基幹系システムの刷新だ。住宅を建てるための資材の購入や在庫管理、建築工程の管理や販売数量の地域別管理など、様々な情報を管理する個別の情報システムである。これら基幹系システムをすべて、アマゾンの「AWS」(アマゾン・ウェブ・サービス)とグーグルの「GCP」(グーグル・クラウド・プラットフォーム)という2種類のクラウドに移し替え、業務量の増大などに対応できるようにした。

 同社では、ITの開発はすべて社内で行う「内製」の方式を採用しているため、プログラミングの書き換えまでの作業も含めてシステムの改修は手元でスピーディに行うことができる。「外部企業に依頼する場合、依頼そのものよりも見積もりや契約等の手続きに時間がかかってしまいます。内製ならすぐに改善に着手できて、実行しながら試すことができます」





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