なぜ?住んでいる家のせいで「うつ病」になる!?

なぜ?住んでいる家のせいで「うつ病」になる!?

 

 うつになる原因のひとつに、もし今住んでいる我が家があるとしたら……住まいと心、遠いようで近いこのふたつについて考えます。


「最近、ずーっと憂鬱で……」「なんかウツっぽいんだよね、元気出ないし何も楽しくないし」

「憂鬱な気分」にとどまらない、こと「こころの病気」のうちに含まれるほんとうの「うつ」を引き起こすひとつの要素に、今、住んでいるこの住まいが挙げられるとしたら……?
 

「うつ病」ってどんな病気?

「うつ病」とは、気持ちの落ち込みや、物事への関心・興味の喪失が長期間続く症状などを有する「こころの病気」です。

その有病率は、WHO(世界保健機関)の推定によれば、世界の全人口の3〜5%をも占めるといわれ、この数字から、「うつ病」は決して珍しい病気ではないことがうかがえます。

「うつ病」の症状を呈するきっかけになる出来事(引き金)は人によりさまざまです。主だった引き金は強いストレスなど精神的な疲れによるものが多いのですが、中には家の新築やマンション購入、結婚、出産、子どもの独立などといった一見「おめでたい」「喜ばしい」出来事があることも見過ごすことはできません。

新築だったり引っ越したての新しい住まいが原因で「うつ病」になる……それだけでもショッキングではありますが、実は、それが住み慣れた我が家であっても、同じこと。

むしろ、住み慣れてしまっているからこそ、その住まいが抱えている問題に対して鈍感になってしまっている、その鈍感さがまた「うつ」の症状を加速させてしまっている、そんな状況が考えられるのです。
 

「うつ病」になりやすい住まいって?

長年、躁うつ病をわずらい、また一級建築士、家庭の主婦としても生きてこられた著者が、これまでなかった視点で住まいやインテリアを語っている『危ないインテリア』(なかむら ふみ/著・実業之日本社)によれば、「台所の汚れがウツのサイン」になるのだそう。

確かに、憂鬱で気力の湧かないときというのは、食事を作るためキッチンに立つ気にさえ、なかなかなれないもの。まして掃除や整理整頓までなど、到底無理と思います。そして「そういう状態」が長期間続くとなると……。悲惨な状態になることはやすやすと想像できます。

つまり、逆に言えば、「片付けづらい台所こそが、ウツの原因である」(に、なりうる)……とも、言えるのです。成る程、さもありなん!と納得できませんか。

どこに何があるか分からない収納、使い勝手の悪い動線。これらのストレスは、炊事という年間休み無しの家事の度に、着々と蓄積されていくものです。「不便だな、動きづらいな」と思っても「狭いんだから仕方ない」などと、我慢しながら。

こんな不満は、確かに一見、とても些細なことのように思えます。「完璧な家なんてあり得ないんだし」といった諦めもあるでしょう。

しかし、家自体にたとえ大きな予算をかけたリフォームができない状況であるにしても、家具の配置を換えたり、収納家具の扉を外したりといった「ひと手間」ぐらいは可能であることのほうが多いのではないでしょうか。

キッチンのみならず、ダイニングテーブルの形状や部屋の照明、リビングソファの配置、寝室のカラー等、かなりダイレクトに私たちの「こころ」の状態をを左右しかねないインテリア。

ともすると雑誌や他人の家の華やかさ・格好よさに影響されやすい私たちのインテリア観ですが、そんな安易さを震撼させるある種の「怖さ」が、インテリアというものにはあるのだという認識を、私たちは持たねばならないときにきているのかもしれません。

少なからず心当たりのある方は、是非『危ないインテリア』(なかむら ふみ/著・実業之日本社)を一読されることをオススメしたいと思います。
 

部屋のガラクタはココロのガラクタ

「台所の汚れ=ウツのサイン」と同様、リビングや子ども部屋など他の部屋であっても、その荒れは多く、こころの不穏さ・負荷を示します。

担任している登校拒否児の家庭を訪問した際、その子の籠もる「子ども部屋」の壮絶な汚さに震撼した中学教師の手記を読んだことがあります。テレビやゲーム機などからタコ足配線された電気コードがとぐろをまく部屋の中で、万年床の上じっとたたずむ教え子の姿を胎児になぞらえた印象的な手記でした。

また最近よく耳にするのが、認知症を発症した祖父母の住まいを訪れた孫らが、その家のあまりのモノの多さや汚さ(ゴキブリやネズミが繁殖しまくっている等)に驚くといった話です。

「登校拒否」も「認知症」も「うつ病」とは基本的に異なりますが、いきいきとした、「健康なこころの状態」から離れてしまっているという状態には、どこか近しいものがあるのではないかと思われてなりません。

実際に、部屋(住まい)を整理し、不要物を処分するなど、住まいに溢れるモノから解放されたことで、ココロまでもが軽やかになったという経験のある方、決して少なくないはずです。

もし今は全然「うつ」ではないけれど、時々暮らしにうんざりしてしまうとか、家に居ても心が休まらないと感じることが多いようであれば、是非一度、「住まい」を見直してみて下さい。

【参考文献】
●一級建築士のウツ対策 危ないインテリア/なかむら ふみ(実業之日本社)
●人生を複雑にしない100の方法/イレイン・セントジェームズ 田辺希久子・訳(株式会社ジャパン タイムズ)
(文:藤原 千秋)





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